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イタリア北部のロマーニャ地方で、伝統と革新を巧みに融合させたワイン造りを行うGACCI(ガッチ)社。この地で古代から愛され続けるブドウ品種と、国際品種を組み合わせた独自のブレンドワインで、世界中のワイン愛好家の心を魅了しています。
今回は、このユニークなワイナリーの歴史、こだわり、そして彼らを代表する唯一のワインについて詳しくご紹介します。

GACCI社(動画)
GACCI社の歴史と哲学
土地への深い愛着
テヌータ・ガッチの哲学は、「FIERCELY ATTACHED TO OUR ROOTS(我々のルーツへ深い愛着を持つ)」という言葉に集約されています。この言葉は、単なるスローガンではなく、彼らのワイン造りの根幹をなす信念です。
ロマーニャ地方は、古代エトルリア人の時代からワイン造りが行われてきた歴史ある土地。ローマ帝国の拡張とともに、ブドウ品種は国境を越えて移動し、この地に根を下ろしました。テヌータ・ガッチは、この歴史的な背景を大切にしながら、現代的なワイン造りを実践しています。


独自の「GENIUS LOCI」理念
テヌータ・ガッチが追求するのは、その土地固有の個性「GENIUS LOCI(その場所の守護神)」の表現です。過去から現在、未来を繋ぐ永続的なテロワールの表現として、彼らは毎年異なる比率でブレンドを調整し、その年の最良の解釈を一本のワインに込めています。
こだわりのワイン造り
単一ワインへの集中
テヌータ・ガッチの最大の特徴は、生産するワインがこの「Rosso Rubicone」一種類だけということです。この決断は、品質への妥協のない姿勢を物語っています。多品種を手がけることで品質が分散するのではなく、すべての情熱と技術を一つのワインに注ぎ込むことで、卓越した品質を実現しています。

4品種の絶妙なハーモニー
Rosso Rubicone は、以下の4つの品種をブレンドして造られています。
サンジョヴェーゼ(SANGIOVESE)
「サンジョヴェーゼは真の歴史そのもの」とテヌータ・ガッチは語ります。この品種は、故郷であるこの地で何世紀にもわたってその優秀性を実証してきました。トスカーナを代表するこの品種が、ロマーニャの土壌でどのような表現を見せるかが、テヌータ・ガッチのワインの骨格を決定づけます。
カベルネ・ソーヴィニヨン(CABERNET SAUVIGNON)
古代からこの土壌で独自の道を歩んできたカベルネ・ソーヴィニヨン。イタリアからアルプスの向こうの地域へと広がり、「国際品種」となった歴史を持ちます。テヌータ・ガッチでは、この品種が持つ力強さと複雑性を活かし、ブレンドに深みを与えています。
メルロ(MERLOT)
カベルネと同様の品種と歴史を持つメルロは、19世紀末からロマーニャを含むイタリアの一部地域で理想的な環境条件を見つけました。しばしば単一品種でも醸造されるこの品種が、テヌータ・ガッチのブレンドに柔らかさと親しみやすさをもたらします。
アンチェロッタ(ANCELLOTTA)
「我々の青い省略記号への独特で特別な貢献」と表現されるアンチェロッタ。この土着品種は、「違いを生む細部」という表現を完璧に体現しています。深い色合いと独特の個性で、他の3品種では表現できない要素をブレンドに加えます。
ヴィンテージごとの柔軟なアプローチ
テヌータ・ガッチの真骨頂は、毎年のヴィンテージに応じてブレンドの比率を変更することです。画一的な製法に固執するのではなく、その年の気候条件、ブドウの成熟度、各品種の特徴を丹念に分析し、最適なバランスを見つけ出します。この柔軟性こそが、毎年異なる表情を見せながらも一貫したテヌータ・ガッチらしさを保つ秘訣なのです。
ワインの特徴と魅力

Rosso Rubicone の個性
テヌータ・ガッチの代表作「Rosso Rubicone」は、ロマーニャ地方の古い川の名前に由来します。このワインは、4品種の絶妙なバランスが生み出す複雑で奥深い味わいが特徴です。
外観:深いルビー色から濃いガーネット色。グラスの縁にわずかに紫がかった色調が見られることもあり、これはアンチェロッタ由来の特徴です。
香り:サンジョヴェーゼ由来の赤い果実の香りに、カベルネ・ソーヴィニヨンのカシスやハーブ、メルロのプラムやチョコレート、そしてアンチェロッタの独特のスパイシーさが重層的に重なります。
味わい:口に含むと、最初にサンジョヴェーゼの酸味が爽やかに広がり、続いてカベルネの力強いタンニンが構造を支え、メルロの丸みが全体をまとめ上げます。余韻には、アンチェロッタ由来の独特の鉱物感とスパイシーさが長く続きます。
おすすめペアリング
この複雑で奥深いワインとは、さまざまな料理とのペアリングが楽しめます。
- 肉料理:牛肉のブラザート、ラムチョップ、猪肉のロースト
- チーズ:熟成したペコリーノ、パルミジャーノ・レッジャーノ
- パスタ:ミートソース、アマトリチャーナ、カルボナーラ
- その他:熟成した生ハム、トリュフ料理 など…
F1 の公式ワインに選定された以外にも、有名なホテルでも採用されています。

著名な醸造コンサルタントの言葉
テヌータ・ガッチのワイン造りには、イタリアワイン界の巨匠ジャコモ・タキス氏の哲学が深く影響しています。彼の「分類は、ワインを知らない人々によって発明された嘘である…今日のワインは化学的観点からではなく、人間的観点から知られるべきである」という言葉は、テヌータ・ガッチのアプローチそのものを表現しています。
また、1877年のジュゼッペ・ディ・ロヴァゼンダによる、「ブドウには、やや不確実であっても国籍はあるが、私の意見では栽培の国籍はない」という言葉も、国際品種と土着品種を自由に組み合わせるテヌータ・ガッチの姿勢を裏付けています。

まとめ
テヌータ・ガッチは、伝統的な土着品種と国際品種を組み合わせることで、ロマーニャという土地の個性を最大限に表現したユニークなワイナリーです。単一ワインへの集中、ヴィンテージごとの柔軟なブレンド、そして土地への深い愛着は、現代のワイン造りにおける一つの理想型と言えるでしょう。
このワインを通じて、イタリアの豊かなワイン文化と、作り手の情熱を感じていただけたら嬉しいです。また、TAPS WINE SHOPでは、テヌータ・ガッチと同様に作り手の想いが込められた様々なワインを取り揃えていますので、ぜひ新しい発見を楽しんでみてください!
ワインは単なる飲み物ではなく、その土地の歴史、文化、そして人々の想いが詰まった芸術作品。テヌータ・ガッチのワインを味わいながら、遥かなロマーニャの大地に思いを馳せ、素晴らしいワインタイムをお過ごしくださいね。
本記事は、テヌータ・ガッチの公式情報を基に作成しています。
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