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イタリアのロゼワインは、その優雅な色合いと繊細な味わいで多くのワイン愛好家を魅了しています。しかし、ロゼワインがどのように作られ、なぜこれほど特別なのか知っていますか?
今回は、イタリアロゼワインの製法の秘密と、よく疑問になる「食事とのペアリング」についてご紹介します。

ロゼワインの作り方:色彩の科学
ロゼワインに色をつける仕組みとアントシアニン
多くの方が驚かれるのですが、実は黒ブドウの果汁も基本的には無色透明です(ジョージア産のサペラヴィ種を除く)。つまり、ロゼワインや赤ワインの美しい色は、特別な製法によって生まれているのです。
ロゼワインの魅力的な色は、ブドウの皮に含まれる「アントシアニン」という天然色素によってもたらされます。この色素を果汁に移すため、皮を一定時間果汁と共に漬け込む(浸漬する)工程が必要です。

なぜイタリアの製法が高品質なのか
精密な浸漬時間の管理
浸漬時間は、目指す色の濃さやスタイルによって数時間から数日に及びます。重要なのは、皮が色だけでなく、味わい、香り、タンニンなど様々な要素も加えるため、この時間の調整がワインの品質を大きく左右することです。
熟練したイタリアの醸造家は、ブドウの状態、気温、湿度などを総合的に判断し、1時間単位で浸漬時間を調整します。この職人技こそが、イタリアロゼワインの高品質を支えているのです。
温度管理の徹底
イタリアの高品質ロゼワイン製造では、浸漬中の温度管理も重要な要素です。低温(12-15℃)での浸漬により、デリケートな香りと色素を傷つけることなく抽出し、雑味のないクリアな味わいを実現します。
厳選されたブドウの使用
高品質なロゼワインには、完熟度が適切で健全なブドウのみが使用されます。イタリアの多くの生産者は、手摘みによる収穫と厳格な選果を行い、最高品質のブドウのみをロゼワイン製造に使用しています。
イタリアの伝統的製法「vinificazione in rosso」
イタリアでは、この工程を「赤ワイン製法(vinificazione in rosso)」と呼び、ロゼワインもこの伝統的な方法で造られています。この製法の特徴は、ブドウ本来の特性を最大限に活かしながら、繊細で複雑な味わいを生み出すことです。
スパークリング ロゼワインの特別な製法
スパークリングロゼワインの製造には、さらに高度な技術が要求されます。スパークリングワインの製法の詳細については、こちらの記事を参照くださいね!
参考:プロセッコとは?
ロゼ色を作る方法
スパークリングロゼでは、以下の2つの方法でロゼ色を実現します。
浸漬法:黒ブドウを短時間浸漬してロゼ色を得る方法。より繊細で上品な色合いが特徴です。
ブレンド法:白ワインに少量の赤ワインをブレンドする方法。EU規格ではスパークリングワインのみに認められており、色の調整がしやすいのが特徴です。
EU規格とイタリアの厳格な品質基準
EUの規定では、DOP(イタリアの規格では DOCG と DOC )および IGP( IGT )ロゼワインは、同じ原産地のワイン同士をブレンドする必要があります(スパークリングワインを除く)。しかし、イタリアの DOC や DOCG のルールはさらに厳しく定められており、これらの規格を満たしたロゼワインは確かな品質が保証された一本と言えるでしょう。
ロゼワインに合う料理:イタリア流ペアリングの極意
ピッツァとスパークリングロゼの絶妙な組み合わせ
イタリアを代表する料理であるピッツァには、さまざまなドリンクを合わせることができますが、特にロゼワインとの相性は抜群なんです!

イタリア人のピッツァとのペアリング文化
実は、イタリア人はピッツァに炭酸系のドリンクを合わせることが多く、その選択肢もいろいろあります。
炭酸飲料:コカ・コーラやファンタが定番。グルメ系ピッツェリアでは、柑橘系の Chinot(キノット)やシチリアとカラブリアの高品質オレンジを使った Aranciata(アランチャータ)なども人気です。
ビール:最近の若者に人気のトレンド。工業的なビールからクラフトビールまで、ピッツェリアのスタイルに合わせて選ばれます。
ワイン:35歳から65歳の食とワインに関心の高い層には、スパークリングワインが人気です。プロセッコ、フランチャコルタ、アルタ・ランガ、トレントDOC がよく選ばれています。
TAPS 推奨のロゼワインペアリング
ピザ具材別ペアリングガイド
魚介や野菜のトッピング:スパニョール・コル・デル・サス の プロセッコDOCG が最適です。爽やかな酸味と繊細な泡が、素材の味を引き立てます。
生ハムやスパイシーな具材:濃い味のピッツァには、ガブリエレ・スカリオネ の アルタ・ランガ DOCG がおすすめ。コクのある味わいが力強い具材と見事に調和します。
トマトがメインのピッツァ:ロゼのスパークリングワインの真価が発揮される味。トマトの酸味とロゼワインの繊細な味わいが生み出すハーモニーは、まさに絶品です。
家飲みにぴったり! ロゼワインと和食・アジア料理のペアリング
イタリアロゼワインの魅力は、洋食だけでなく和食や身近なアジア料理との相性も抜群なことです。家庭での食卓がより豊かになる、おすすめのペアリングをご紹介します。
和食 とのマリアージュ
お寿司・お刺身:ロゼワインの爽やかな酸味が、魚の旨味を引き立てます。特に白身魚や貝類には、軽やかな プロセッコロゼ が絶妙です。
天ぷら:サクサクの衣と季節野菜の天ぷらには、微細な泡立ちのスパークリングロゼ が油っぽさをすっきりと洗い流してくれます。
鶏の照り焼き・焼き鳥:甘辛いタレの照り焼きや焼き鳥には、果実味のあるスティルロゼワインがよく合います。タレの甘みとロゼの優雅な味わいが調和します。
豆腐カプレーゼ風サラダ:豆腐にトマトとバジルを添えた和風カプレーゼには、軽やかなロゼワインが夏の家飲みにぴったりです。

人気のアジア料理とのコラボレーション
韓国料理:チヂミ や ビビンバ などの韓国料理には、ロゼワインの程よい酸味がキムチの辛さを和らげ、全体の味をまとめてくれます。
タイ料理:ガパオライス や パッタイ には、フルーティーなロゼワインが香辛料の刺激を包み込み、エキゾチックな香りとの絶妙なバランスを生み出します。

中華料理:酢豚 や 麻婆豆腐 などの甘酢系・辛味系の中華料理にも、ロゼワインの多面性が活かされます。特に油を使った料理には、泡系のロゼが口の中をリフレッシュしてくれます。

餃子・小籠包:パリッとした皮とジューシーな具材の 餃子 には、軽やかなスパークリングロゼが相性抜群。家庭での餃子パーティーがワンランクアップします。
家飲みシーンでの楽しみ方

平日の夕食から週末のホームパーティーまで、ロゼワインは多目的に使えて、さまざまな家飲みシーンを彩ります。冷蔵庫にある身近な食材でも、ロゼワインと合わせることで特別な時間を演出できるのが魅力です。
まとめ
イタリアのロゼワインは、伝統的な製法と厳格な品質基準によって生まれる芸術品です。その作り方を理解し、適切な料理と合わせることで、ロゼワインの真の魅力を味わうことができます。特にピッツァとのペアリングは、イタリア文化の粋が詰まった組み合わせ。ぜひ、TAPS Wine Shopで厳選されたイタリアロゼワインを手に取り、この素晴らしいペアリングを体験してみてください。
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